まともに入国制限できないという大問題

新型コロナウイルスは日本の様々な問題を浮き彫りにしました。

中でも大問題なのは日本はまともな入国制限ができないということです。

ちゃんと入国制限すれば普通の生活が出来ていたかも

新型コロナは全世界の人々の生活を一変させたように思えますが、そうではありません。

台湾の人は世界でのコロナ流行後もほとんど普通の生活をしています。

2020年10月時点で新型コロナの述べ感染者550人、死者7人です。

同じ時期の日本の感染者数が10万人弱、死者1,800人弱です。

日本の人口は1億2,700万人と台湾の人口2,300万人の5倍ですが、台湾の感染者数や死者数を5倍しても日本の数字には遠く及びません。

台湾がコロナ封じ込めに成功した理由はいろいろ言われていますが、大きなのは入国制限です。

  • 2019年
    12月8日
    中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスが発生
  • 12月末
    中国がWHOに新型コロナを報告

    台湾が中国からの国際便の検疫開始

  • 2020年
    1月21日
    中国武漢から20日に帰国した女性の感染を確認(台湾で最初の感染者)
  • 1月22日
    中国武漢との団体旅行往来を禁止
  • 1月23日
    中国武漢が閉鎖
  • 1月24日
    中国全土との団体旅行往来を禁止

    マスクの輸出禁止

  • 2月6日
    中国全土からの入国を禁止

ウイルス発生国、流行国からの入国を制限する、という全く当然の防疫措置を速やかに行っています。

その結果が普通の生活です。

日本も同じように教科書どおりの防疫措置をしていれば今頃は台湾のように普通の生活ができていたかもしれません

また、台湾はマスクの輸出を禁止し、マスクが入手できないために感染拡大するという状況を防いでいます。

入国制限できず感染拡大させた日本

そんな台湾と日本のとった対策(?)を比較してみると日本がいかにデタラメをやったかがよくわかります。

  • 2019年
    12月8日
    中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスが発生
  • 12月末
    中国がWHOに新型コロナを報告
  • 2020年
    1月23日
    中国武漢が閉鎖
  • 1月24日
    武漢が閉鎖されウイルスが大問題になっているにもかかわらず、首相(当時)の安倍が「更に多くの中国の皆様が訪日されることを楽しみにしています」という春節祝辞を発表
  • 1月25日
    中国の春節休暇開始。

    ウイルス発生国であり最初の流行国である中国から大量の人間が入国

  • 2月1日
    中国湖北省からの入国制限を開始
  • 3月2日
    小中高の臨時休校開始
  • 3月9日
    中国全土からの入国制限を開始
  • 4月7日
    緊急事態宣言を発令
  • 11月1日
    11カ国・地域(中国を含む)からの無検査での入国を開始
  • 11月中旬
    感染再拡大が大問題になるが、GoTo事業が原因とされ無検査入国には言及せず
  • 11月30日
    中国とのビジネス関係者の往来を再開
  • 12月21日
    千歳空港でも中国と韓国からの無検査での入国を開始
  • 12月28日
    全世界から外国人の新規入国停止とされるているが実態は11の国と地域が対象外
  • 2021年
    オリンピックではワクチン接種不要、交通期間の利用制限なしで大規模に外国人を受け入れ予定

この対応からは「感染拡大から日本を守る」みたいな気概など全く感じられないどころか「何がなんでも入国制限はしない」と腐った意思を感じざるをえません。

ウイルスによって武漢が閉鎖されるという事態にもかかわらず、ウイルス発生国であり流行国である中国から大量に入国させ続けました。

閉鎖前に500万人が武漢から脱出したとの報道があるにもかかわず2月1日に武漢のある湖北省限定という意味のない入国制限を開始。

国民の「なぜ中国全土からの入国制限をしないんだ?」という声を無視し、頑固に中国から入国させ続けました。

当然、日本国内で感染拡大し、小中高が突然の臨時休校(卒業式も入学式も中止)という事態を経て中国全土からの入国制限を開始したのは3月9日です。

武漢閉鎖から実に1ヶ月半です。

結果的に4月7日の緊急事態宣言発令に至りました。

もしもっと早く中国全土からの入国制限を実施していれば今頃は台湾のように普通の生活ができていたのではないでしょうか

それから徐々に感染拡大が落ち着いて来ていましたが、11月1日になんと無検査での入国を開始。

当然、11月中旬には感染再拡大が大問題となります。

11月28日から全世界からの外国人の新規入国停止などと発表しましたが、入国者数の多い11カ国が対象外となっており、現在もそれらの国からの無検査入国は続行されています。

「全世界からの外国人の新規入国停止」は一見センセーショナルですが、デタラメな例外事項から入国制限をしているというポーズで国民を欺くのが目的だと思われ、かなり悪質です。

頑固に入国制限しない理由は何なのか?

国民の健康を犠牲にしてまでここまで頑固に入国制限しない理由は一体何なんなのでしょうか。

  • 法的に入国禁止できない?
  • 入国制限は差別?
  • 日本で広まっているのは中国由来のウイルスではない?
  • インバウンド消費を減らしたくない?
  • 中国国家主席の国賓来日のムードを壊したくない?
  • 春節前に入国禁止にしなかったのだから手遅れ?
  • 中国から「大ごとにしないで」と要請された?

法的に入国禁止できない?

法務省が法的に無理だと主張したと報道されています。

しかし、世界のどの国もビザさえあれば必ず入国できるわけではなく、国際法ではどの国にも入国を拒否する権利があります。

日本も例外ではなく法律は以下のようになっています。

国家は,その国にとって好ましからざる外国人の入国を禁じ又は適当と認める条件により入国を許可する権限を有することは国際法上確立した原則であり,各国とも公衆衛生,公の秩序,国内の治安等が害されるおそれがあると認める外国人の入国・上陸を拒否することとしています。

我が国にとって上陸を認めることが好ましくない外国人の類型が上陸拒否事由で,具体的には次のような類型の外国人が我が国への入国を拒否されます。

  1. 保健・衛生上の観点から上陸を認めることが好ましくない者
  2. 反社会性が強いと認められることにより上陸を認めることが好ましくない者
  3. 我が国から退去強制を受けたこと等により上陸を認めることが好ましくない者
  4. 我が国の利益又は公安を害するおそれがあるため上陸を認めることが好ましくない者
  5. 相互主義に基づき上陸を認めない者

上陸拒否事由(入管法第5条)

解釈の余地などないように思えるのですが、この条文を無効にする「一般国民は知らない高度な法解釈」みたいなものがあるということでしょうか。

法務省には一般国民にもわかるように説明して欲しいところです。法務省が法的に無理だと言ったのに実際には入国制限した法的根拠も含めて

それにしても、この法律が事実上無効であり「入国拒否できない日本」というのはかなり危険ではないでしょうか。

例えばどこかの国が感染症で国家崩壊した場合、国外に脱出しようとしてもほとんどの国は入国拒否します。

しかし、日本だけは入国拒否できないとなれば当然、そうした人が日本に殺到することになるためです。

日本で広まっているのは中国由来のウイルスではない?

日本で感染が広まっているのは中国由来のウイルスではなくヨーロッパ由来のものだから中国から入国制限する必要はなかったという声があります。

しかし、中国由来だろうがヨーロッパ由来だろうが入国制限していれば防げたことにかわりありません。

入国制限は差別?

ネットに入国制限は差別との声もありましたが、さすがにありえません。

国際法が定める入国拒否は差別ということになってしまいます。

日本以外の国は頑固に入国制限しないという狂気の政策はやっていませんので、すべて差別国家ということになってしまいます。

ウイルス発生国や流行国からの入国制限という防疫上、必須の措置も差別ということに・・・。

インバウンド消費を減らしたくない?

中国からの入国制限をすればインバウンド消費が大きく減るのは全くその通りです。

しかし、インバウンド消費よりウイルス蔓延による経済的損失のほうが遥かに大きいのではないでしょうか。

それ以前に死者も重症者も出る入国禁止をしないという対応をインバウンド消費などと天秤にかけること自体が間違っているのではないでしょうか。

インバウンド消費のためなら死者は何人まで許容するのでしょうか?

重症者は何人まででしょうか?

どちらもゼロ以外ありえないでしょう。

また、そもそもインバウンド需要がGDPに占める割合などわずかです。

インバウンドだの観光立国だのが言われて始めてから日本人の暮らしが豊かになった実感はあるでしょうか?

一部の旅行業界が儲かり一般国民は観光公害などを押し付けられていたのが実態ではないでしょうか。

新型コロナを機にインバウンド偏重政策は見直されるべきです。

中国国家主席の国賓来日のムードを壊したくない?

中国国家主席の国賓来日が予定されています。

その友好ムードを壊さないために入国禁止をしないのでは、という推測です。

たしかに入国禁止は友好ムードに水を差すでしょう。

しかし、中国国内でのウイルス発生は天災(ウイルス研究所か実験室から流出したという人災説もありますが真偽不明です)でしょうが、感染が拡大したのは中国政府の情報隠蔽による人災とも言えます。

それなのに中国は入国禁止で友好ムード云々言える立場でしょうか。

またインバウンド消費と同様、そもそも「友好ムード」などと国民の命や健康を天秤にかけること自体間違っています。

春節前に入国禁止にしなかったのだから手遅れ?

これは春節が終了してから見かけるようになった推測です。

ドラマなどで凶悪犯が「1人殺すも2人殺すも一緒だ」などと言って罪を重ねるのと同じですね。

本当にこんな理由であればもう日本という国家自体が手遅れです。

中国から「大ごとにしないで」と要請された?

政府関係者の話として報道されている理由です。

中国は新型コロナウイルスを都市封鎖などまさに「大ごと」として対策しています。

それなのに日本には「大ごとにしないで」、つまり対策しないでと要請?

この報道が本当であれば日中友好などありえないのではないでしょうか。

コソコソ影に隠れて入国制限を妨害する卑劣さ

入国制限を主張する議員に対し「過激なことを言うな」と恫喝した議員がいたという報道がありました。

ウイルス発生国・流行国からの入国制限という全く当たり前の防疫措置のどこが過激なのかさっぱりわかりません。

逆にウイルス発生国・流行国から頑固に入国させ続けるほうが遥かに過激です。

その議員の名前は報道にありませんでした。

有権者にとって入国制限に反対している議員の名前は絶対に必要な情報であるにもかかわらず報道されません。

議員は正々堂々と「たとえ感染拡大してもXXXの理由で入国制限には反対です」と言えばいいはずです。

入国制限しないことで犠牲者が出てもちゃんとした理由があれば国民も納得するのではないでしょうか。

現状、国民からは「コソコソ影に隠れて入国制限を妨害する卑劣な議員がいる」としか映りません。

入国制限できなければ最悪の事態も

2020年3月の中国全土からの入国制限の遅れは幸い日本にとっては致命的な事態には至りませんでした。

11月1日からの無検査入国は当然、感染再拡大が大問題になっており、どう転ぶかわかりません。

このまま「入国制限が出来ない日本」だと以下のような事態も起こりかねません。

  • XXXX年
    XX月XX日
    某国の研究所からウイルスの漏洩事故が発生
  • XX月XX日
    日本以外の「普通の国」は某国からの入国制限という当然の防疫措置を実施
  • XX月XX日
    日本ではヒトヒト感染は確認されていない、某国からの入国制限は必要ない、入国制限のような過激なことを言うな、という理由で某国から入国させ続ける
  • XX月XX日
    某国で感染拡大が制御不能となったことを受け、日本では漏洩元の研究所周辺地域に限定して入国制限を開始
  • XX月XX日
    某国全土からの入国制限をしろとの国民の声を無視して入国させ続ける
  • XX月XX日
    日本の医療体制が崩壊、重症は死を意味することになる
  • XX月XX日
    ほぼすべての在日外国人が帰国、在日米軍も撤退
  • XX月XX日
    膨大な死者により日本の治安維持が不可能になる
  • XX月XX日
    日本も某国もウイルスによって人口の大半を失い、世界から「手の施しようのない汚染国」としてデカップリングされる
  • XX月XX日
    某国の軍隊による崩壊した日本の治安維持の提案があり日本はそれを受け入れる

こんな最悪の事態にならないように入国制限という防疫措置が速やかにできる普通に国になれることを願っています。

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