
1990年代後半のITバブルの頃、知り合いのソフトウエア会社の社長がことあるごとに「うちはベンチャーですから」と言っていました。
それを聞くたびに違和感を感じていました。
ベンチャー(venture)とはリスクの高い冒険的な事業のことです。
そしてベンチャー企業とは他社が真似できない高度な技術を武器に冒険的な事業をする企業のことですね。
海外ではベンチャーよりスタートアップ(startup)のほうが一般的なようです。
SIはベンチャーなのか?
では「うちはベンチャーですから」の社長の会社の他社が真似のできない高度な技術というと・・・?
特に思い浮かびません。
SI(ソフトウエアの受託開発)がその会社の事業です。
納品されたソフトウエアでリスクの高い事業をするのは顧客であってその会社ではありません。
受託開発は失敗することもありますが、それがとてもリスクの高い冒険的な事業とは思えません。
ベンチャー企業には小さい会社の意味もある?
どうも「うちはベンチャーですから」の発言が出ていた状況から察すると「うちは小さい会社ですから」という言いたかったようです。
たしかに社員一桁の小さい会社ではありました。
でもベンチャー企業という言葉には小さい会社って意味があるんですかね。
ベンチャー企業がなくなった日本
そういえば日本にはベンチャーと言える企業がほとんどなくなってしまいました。
ベンチャー企業がたくさんありそうなIT企業ですら、実態は技術者を客先常駐させて毎月ほぼ決まったお金をもらうというとても堅実なビジネスをしています。
そんなふうにベンチャー企業がなくなったのも日本の衰退の原因なんでしょうね。
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